外壁塗装の費用:業界別の価格目安

家のクロスやサッシは、一定の規格を満たした完成品が現場に持ち込まれ、取り付けられます。もちろん、取り付ける為の技術は求められますが、すべてを現場で完成させるわけではないので、職人の力量でコストダウンを図ることは難しいといえます。
ところが、塗装はすべてを現場で完成させる為、おそろしいことながら、職人の技術、知識によって、思いもかけない程の手抜きやコストダウンが可能となる業界なのです。

あくまで参考までの数字ですが、200-250㎡の戸建外壁塗装をした場合、ハウスメーカー、塗料メーカー、一般塗料屋の標準価格は、

ハウスメーカ- > 塗料メーカー > 一般塗装屋 となり、

ハウスメーカー:150万円
塗料メーカー :135万円
一般塗料屋  :100-120万円

程度が目安となります。
ところが、これを50-60万円でやってしまうような広告を見かけます。
私達から見ると、材料費と人件費を考えれば、これは恐ろしい数字です。
「安い!」と喜んで飛びつく前に少し考えてみてほしいのです。

近年は、刷毛とローラーがあれば、それほどの技術や経験がなくても家の塗替ができてしまいます。
技術や知識のない職人が親方となって塗り替えをしている現場がどれほど増えているか。格安価格の裏には手を抜いていたり、経験不足の職人が使われていたり、不安要素につながる事情が隠れている可能性が高いのです。

昨年、名古屋の大手ゼネコンから、費用がかかってもかまわないので、腕のある職人を送り込んでほしいとの依頼が飛び込みました。
事情を聞いてみると、あまりにひどい仕上がり外壁塗装のやり直しが3軒も重なったというのです。しかも、その3軒はすべて別の下請け業者の作業とのこと。

価格競争の激しくなった昨今、それほど技術や経験のない職人が増え、結果的に被害を被っている人が増えているという現実を知っていてほしいと思います。