屋根のひみつ 「縁切り作業」の必要性

屋根の塗装についてのお話をしたいと思います。
屋根は、コンパネ上に防水シート(ゴムアスファルト)を張り、その上にコロニアルをはります。(カラーベストやスレート瓦などメーカーによって呼び名は変わります)
この時にも、コロニアルをビスや釘で取り付けるため、防水シートに穴が開きます。
この穴のところまで水がこなければ水漏れすることはないので問題がないと思っている業者がほとんどです。

ところが、屋根の塗装の際にコロニアルの隙間をペンキで塗って蓋をしてしまうことで、水の抜け道を塞いでしまって水がたまり、ビスや釘の穴の位置まで水が伝わり水が漏れてしまうのです。
その為に、ペンキを塗ったあと、塗った塗料にカッターで切り目を開ける縁切り作業をして、水を逃がす必要があります。

ところが、この知識のない業者がとても多く、一時大きな問題になりました。雨漏りを防ぐために屋根塗装をしているのに、塗れば塗るほど雨漏りがひどくなるのです。

この問題を研究した、広島にある小さな業者が屋根塗装時に装着することによって水を逃すスペーサーを開発し、今では日本のハウスメーカーの標準仕様となっています。
こうして、失敗をふくめた実績が研究につながり、適切な施工が開発されていくのです。
状況はどんどん変化し、昨日までの常識が通用しなくなることも多々あるのです。

もちろん、ペンキを塗ったあとに縁切り作業をするにしても、スペーサーを入れるにしても手間と費用がかかります。知識のない業者や新しい情報の勉強を怠る業者はその手間と費用を惜しむのです。その結果、泣かねばならなくなるのはお客様です。

一番怖いのは「知らないこと」なのです。